じくうのひめぎみ

新次元生活

それからと言うもの三十分ほどの校舎巡りもあまり集中出来なかった。

もとより一度で全ての場所を把握しようなどとは思っていないので大した影響はないけれど、藤野の言葉はずっと気になっていた。

ちなみに、藤野の化学実験のすぐ後、先生が焦った様子で駆け付けて藤野に何か尋ねていたのだが、藤野が上を指差して何やら説明すると、先生は駆け足で階段に向かって走っていった。

何を言ったのかはそれぞれの想像にお任せしておきたい。

そして実験室を出た後は家庭科室やら音楽室やらを巡り、集合予定時刻のきっかり五分前に体育館へと戻っていた。

結局中野は一度もまともに話すことなく、帰りのホームルームとなった。