新次元生活

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マイクを手にした五津井は一歩前へ出て、大声を出した。 「学校案内は10人程度の班単位で行う! クラスは問わないからその場で班を作れ!」 どうやら然斗の言っていた事は本当のようだ。 その然斗はと言うと、船を漕いでいるところに大声を出されて飛び起きていた。 それにしても即決で班なんて作れるのだろうか? こういう場面では100%と言っていい程の確率で余り者が出る。 教師がそんな方法を選択して良かったのだろうか? 空がそんなことを思っていると生徒達は立ち上がって、うろうろし始めた。 「あの大声には参ったぜ」 然斗はすっかり目が覚めたようで、立ち上がってサラサラな茶髪をかき分けていた。 「それよりさっさと班を作らないと」 空はそう言って周囲を見渡す。以外にも大抵の人はすぐに仲間を集めていた。 考えてみれば適当に周りにいる人で集まればいいだけだし、これを切っ掛けに話し相手が出来る可能性も充分にある。 割と考えられた計画のようだ。
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