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ここは埼玉県 武蔵野線新三郷から吉川へ続く寂しいガードの側道
街灯の間隔も相当空いてるような場所だ
フラッと三郷に飲みに行き、結構踏んだくられ軽くなった財布と相談した結果歩いて帰る事にした
そこは片側1車線の大型がはみ出し気味に走る道
交通量が多い朝などにはマトモな神経をしたヤツは決して歩きはしない
だが、今は2時50分 だぁれも、車も通っていない
そんな道を銭の無い寂しさと共にトボトボと俯き加減に歩く
ふと吉川駅方面から小さな光が
こんな時間にチャリンコのライトかな と 大して気にもせずそのまま歩く
10分以上歩き続ける事は滅多にないのもあり、疲労感が重くのしかかる
アレッ 何気に顔を上げると光が見えない
スーッとそれまでくすぶっていた酔いが覚める
なんかヤベッ っと思った次の瞬間ッ!
コケていた イヤ コケると言うより、何処までも続いていそうな深い闇にフワーッと 墜ちてゆく 堕ちてゆく 落ちてゆく
底に着く瞬間の衝撃におののきながら落ちてゆく ユックリと………
翌朝 三郷から吉川にかけた路上で男が1人死んでいた
頸があらぬ方向にヒン曲がり、頭は何十メートル上から落ちたように割れて飛び散っていた
表情は何かに恐怖して酷く怯え、一点を凝視していた
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