1人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
蝉が鳴く 夏
この季節になると早朝から鳴き出す 俺はガキの頃から夏は嫌い
故に 夏 を連想させる 蝉 も大嫌い 素手で捕まえては地面に叩きつけていた
ハチは益虫の認識もあり好きだったが、クマンバチやハエは手のひらでキャッチ 空間を作り、グルグル回してからこれも地面に叩きつけていた
トンボの首はもぎ取るしロクでもない ガキ だった
その頃は トンボ が 蚊 を喰ってくれる益虫(といっていいのかわからんが)だとは知らなかった 知ってからはにっくき蚊を喰ってくれる コウモリ と同様に好きになった 他にはクモとカマキリが好き 獲物を捕らえ、喰う様が
特に カマキリにハエを与えると腹から喰らう その時ハミ出してきたウジを喰らうところが最高に好きで飽きることなくジッと見つめていた程に好きだった
そんな虫共の イヤ 蝉の呪いか 最近そんなことを考える
それは2~3ヶ月前に右手があかぎれて角質化 今では身体全体に広がり、まるで 木 のようになってきた
段々と動くのも億劫になり、意識も朦朧としてきている そしてヤケに眠い
もう何日このままなんだろう
また蝉が鳴き始めた
もうどうでもよくなってきてる
眠い 暑さも空腹も感じない
俺は目を閉じた
最初のコメントを投稿しよう!