7人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
××53年 8月
長らく記していなかった。
今回の記録は長くなりそうだ。
××51年 4月
ついに元臣下の天魔が本格的に動きだした。
天魔の部下、5000が城下街を焼き払い、城を囲った。
囲った、といっても、まだ城壁は一枚も落とされていない。
対する将軍様率いる35000は強固な陣を組んでいる。
多少の犠牲はでるだろうが、これならば半日もかからず、制圧できるだろう。
将軍様はご容体が悪く、軍師、三将が指揮をとっている。
皆、私とかわらない程の高齢だが、自信に満ち溢れている。
明朝、5つの城門全てから攻撃をしかけるようだ。
敵陣は迎え討つ構えをとっている。
こちらでは、矢よけの盾が地下倉庫から大量に持ち運ばれている。
紫苑様は何かを悟ったかのように、物静かにみつめていた。
まるでこの先、どうなるか分かっているように。
最初のコメントを投稿しよう!