異世界へ

7/8
前へ
/28ページ
次へ
アルマン「すまんの、彼女は以前、ワシの秘書をしておったんじゃが、今年度から教師になったばかりでの、許してやってくれんか?」 二階からアルマンは申し訳なさそうに言う。 遊斗「いえ、少し驚きましたけど気にしてませんよ」 と、遊斗は言うが内心では、気配もなくいきなり背後に現れたので少しドキドキしていた。 アルマン「来年度はおぬし達の担任になるからの、初めてのクラスじゃから不安なのかもしれん」 遊斗「え!?」 遊斗(そんなの全く聞いてねぇよ!?学園に入学するだって!?しかもあの女が担任かよ…) アルマン「聞いてないって顔じゃな、まぁよい。とりあえず上がってこんか?」 遊斗「は、はい」 少し戸惑いながらも遊斗は階段を上がった。 アルマン「大体の事情はあやつ達から聞いておる。その年で魔力に目覚めてない者などこの世界ではおらぬからな。話を信じるしかなかろう」 遊斗「は、はぁ…」 「どうせ行く宛もなかろう?で、あったらこの学園へ入学するといい。他の五人も了承済みじゃ」 アルマンはにこやかに言うが、遊斗は納得できない。 遊斗「なんか虫が良すぎませんか?それに入学金など自分達にはないですよ?」 と遊斗は困惑気味に言う。 アルマン「フォッフォッフォッ、なに心配するでない。おぬしらの才能はおぬし以外の五人で確認済みじゃ。おぬしら程の才能を埋もれさせるには惜しいからの。そう考えると安いもんじゃ」 フォッフォッフォッと愉快気にアルマンは笑う。 遊斗(そこまで言うなら入学してみるか。学園長の言う通り、行く宛もないしな) 遊斗「わかりました。よろしくおねがいします」 そう言うと遊斗は頭を下げた。 アルマン「よいよい。なんせワシは学園長じゃからの。おぬしが住む部屋も用意しておる」 遊斗(そこまでしてもらえる俺らの才能ってどれだけなんだろ…) アルマン「ん?勉強が不安か?こっちの世界のことは、なにも知らないからの。大丈夫じゃ、そのための記憶の間じゃからの」 遊斗が考え事をしているとアルマンはそう言ってきた。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加