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アルマン「どれ、少し待っておれ」
そう言うとアルマンは、本棚の方へ行き、何かしはじめる。
すると、ゴゴゴと本棚が音を立てて動き始め、間に鏡が現れた。
アルマン「これが記憶の間の入り口じゃ」
そう言うアルマンの前には、黒く波打つ鏡があった。
アルマン「おぬしが知りたいことはこの鏡の中にある」
遊斗「この世界のことも、魔法のことも、帰り方も、全て…?」
そう言う遊斗の目は輝いている。
アルマン「この学園で生きていく最低限のことは必ず知ることができる。しかしそれ以上はおぬし自身の問題じゃ」
真剣な顔をしてアルマンは言う。
遊斗(ふーん。帰り方は別にいいとして、この世界に関する知識はできるだけ、いや知れる事は全て知っておきたいな…)
アルマン「さて、もうよいかな?時間がかかるでの」
遊斗は頷きつつも鏡へ近づくが、不気味なオーラを出しているため、入るのに少し戸惑ってしまう。
やがて恐る恐る手を伸ばし、鏡へ少し突っ込んでみた。
遊斗(うぇ…。冷たいし、気持ちわりぃ…)
アルマン「えぇい!焦れったいやつじゃ!」
遊斗「ア痛ッー!」
遊斗は、ガンッと背中に衝撃を受けたかと思うと、そのまま鏡の中へと突っ込んでいった。
アルマン「知識に関しては貪欲みたいじゃが、ちと慎重すぎる節があるの…」
そう言うアルマンの前には、黒い鏡が激しく波打ちつつ、妖しく光っていた。
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