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「久しぶりだな、遊斗」
そう言いながら振り返った青年は、一緒に穴に落ちた六人のなかの一人、倉真 俊(クラマ シュン)であった。
遊斗「久しぶり?さっき一緒に落っこちたばかりじゃねーかよ?大体何でそんな物騒なものもってんだよ?てかここどこよ?」
首を傾げながら、困惑気味に遊斗は尋ねた。
俊「質問が多いな…。俺がこっちに来てもう16日はたっているからな。俺からしたら久しぶりなんだよ。武器はこの森に入る時に絶対必要だからだ。」
武器を見ながら、俊は言う。
遊斗「森に入るだけで大袈裟だな…。化け物でもでるってか?」
少し茶化しながら遊斗は言う。
すると急に真顔になり俊は言った。
俊「…ここは日本なんかじゃない。全くの別世界だ。奥へ進むと危険な魔物もいる。気をつけろよ」
そう言うと俊は後ろに振り向き歩き出した。
遊斗「別世界って…わけわかんね。って、おい、どこに行くんだよ!?」
遊斗は慌てて追いかけながら聞く。
俊「森を抜けたところにある学園だ。そこで学園長から色々と聞くといい。」
俊はそう言いながら淡々と足を進めていく。
遊斗「ん~…?」
俊の言う事がいまいち理解できてないが遊斗は流れに任せるようにした。
遊斗「なぁ、他の皆は無事なのか?」
俊「皆バラバラにこの世界に来たみたいだが、全員無事だ。今は学園の寮に皆世話になっている。」
遊斗の問いに俊は言う。
遊斗「なんだかんだで皆ゴキブリ並にしぶといからな…」
安心したように遊斗は言う。
俊「それもあるが学園長さんの待遇のお陰だな」
歩みをとめることなく俊が言う。
遊斗「そりゃ会うのが楽しみだ」
遊斗は俊の言葉をあまり期待してないような口調で言う。
俊「森を抜けるぞ」
次の瞬間には横の幅がとてもながい西洋風の城が目に見えた。
上を見上げながら歩いているといつの間にか森を完璧に抜けていた。
口をあけながら遊斗は聞く。
遊斗「おぉー、めっちゃでっけぇな…。なんだここ?」
俊はこちらに振り返り言った。
俊「ここが魔法学園だ。」
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