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昨日の一夜の言葉の意味が分からないまま、黒衣は訓練の時間を迎えた。
身体中の怪我が治っただけでなく、溜まっていた疲れも完全に消えていたので、今日はやけにやる気がある。
「ハァ!!」
いつも通り石柱を斬り付けた。
「なんだ…これは??」
新品の石柱は、たった一度の斬撃で真っ二つになった。
何度も何度も斬り付けてやっと亀裂をつけたのが嘘のようだ。
しかも、斬った感覚すら殆んどなかった。
「修得…か─『強化』。」
『強化』。
任意の物体や身体の耐久性を上げたり、硬化させるセンス。
「もう一個あるみたいだぞ。」
「…校長!!また怪我させるつもりですか?」
「違うよ馬鹿。お前はもう一個のセンスが目覚めてるぞってんだ───よっ!」
見えない。
目が捕らえられるスピードを超越した蹴り。
「─────っ!!!」
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