4th. 『マルチ』の脅威

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──あれから二ヶ月が過ぎた。 凛の『創造』は精度を増した。 黒衣の『強化』は自身の身体にまで効果を増し、『迅速化』は宗玄も感心する出来だ。 宏美も複数の生命を『創造』出来るようになった。 しかし…。 「あぁーーーっ!!!!」 この男は違った。 「……あぁーーーっ!!!!」 何度これを繰り返しただろうか? 「五月蝿いな…。」 「あぁーーーっ!!!!お前に俺の気持ちは分からないだろ!!分かるか?!チームで一人取り残されてるんだ!!!」 彼方は入学してからの三ヶ月、一度も覚醒していない。 それどころか兆しすらない。 「分からないね。僕は君じゃないんだ。」 「………あぁーーーっ!!!!」 黒衣の嫌み──本人にそのつもりはない──も更に彼方を追い詰めている。
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