1th. 鳳(おおとり)

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「ここだよ。」 「校長」 と呼ばれた男は、空に刺さる様にそびえる“ただの壁”を紹介し始めた。 「ここが君達の学舎、“国立鳳凰学院”だ。」 大きい。 これ以外の表現が思い浮かばない外壁が視界を遮り、肝心の校舎が見えない。 正面から見ると平面の様に見える外壁は、一枚板の様な滑らかさで学校全体を円状に囲んでいるらしい。 そして、 その外壁の向こう側に見える空の雲の切れ間からは、一本の棒の様なモノが見えていた。 「あれは…なんですか?」 「あの遠くに見える建物か?あれが君が今から行く所だよ。」 「という事は…」 胸がはち切れそうなぐらい喜びが込み上げてきた。 「そう。君がこれから生活し、学ぶ所─国立鳳凰学院特殊養成施設──“鳳(おおとり)”だ。」 俺はこんな凄い所で勉強出来るんだ…。 「これから四年間、ここで力を伸ばすためにトレーニングしてもらうよ。」 「ここで…四年間…」 皇居よりも素晴らしい─あくまで個人的な解釈─所で… そう思うとまたドキドキしてきた。
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