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「ここだよ。」
「校長」
と呼ばれた男は、空に刺さる様にそびえる“ただの壁”を紹介し始めた。
「ここが君達の学舎、“国立鳳凰学院”だ。」
大きい。
これ以外の表現が思い浮かばない外壁が視界を遮り、肝心の校舎が見えない。
正面から見ると平面の様に見える外壁は、一枚板の様な滑らかさで学校全体を円状に囲んでいるらしい。
そして、
その外壁の向こう側に見える空の雲の切れ間からは、一本の棒の様なモノが見えていた。
「あれは…なんですか?」
「あの遠くに見える建物か?あれが君が今から行く所だよ。」
「という事は…」
胸がはち切れそうなぐらい喜びが込み上げてきた。
「そう。君がこれから生活し、学ぶ所─国立鳳凰学院特殊養成施設──“鳳(おおとり)”だ。」
俺はこんな凄い所で勉強出来るんだ…。
「これから四年間、ここで力を伸ばすためにトレーニングしてもらうよ。」
「ここで…四年間…」
皇居よりも素晴らしい─あくまで個人的な解釈─所で…
そう思うとまたドキドキしてきた。
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