Chapter 3 -day-

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──??? 「手筈通りですね」 暗くカーテンの閉めきられた、昼間なのにも関わらず暗い部屋。 長く丸いテーブルに大人数が向き合えるように多くの椅子。 ただし、今は三人だけが座っていた。 相手の顔が辛うじてわかる程度の暗さだが、全員に表情はなかった。 いや、部屋に人がいながらにして気配が無いのだ。 「……次は?」 機械的な声。声を発したのはやや小柄な体の男。 「暫らくは何もない」 最初に話した男とはまた別の男の声。 「…………了解」 小柄な男は席を立つ。一瞬だけ窓の光に照らされ、髪の金色を表す。 そのまま歩く時でさえ一切の音をたてずに部屋を出た。 「暫らくは、ですか。そうですね、その後は忙しくなりますが、まだあと少しの間は何もないでしょうね」 最初に話した男が顔の前で手を組みながら話す。もう一人の男は男から見て右側に座っている。正面が出入口だ。 「全ては貴様の計画通りではないのか?」 「私にもミスはありますよ。ミスも計算の内……さてしかし、来週はミスは出来ませんが……ね」 そう言って男は立ち上がり、カツカツと音を立てて部屋を出ようと扉に向かう。 「ミスなどしたことの無い人間がよく言うものだ……」 まだ座ったままの男がそう言い、男は僅かに表情を砕けてから扉をあけて出ていった。 「……」 そして暗い部屋に一人残っていた男は── いつの間にか、消えていた。
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