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「くそっ、やるな!」
マーコミックが悪態をつく。これで何度目の宙返りだろうか…
隼も背後を取ろうと宙返り、ロールを繰り返していた。
「くっ…吐きそうだ!」
アンダースン中尉もこみ上げる吐き気を耐え、隼を操り続ける。
先に脱落したのはウォーホークだった。
「ぐ…ダメだ…」
一瞬だけ機体を水平に飛ばしてしまった。
アンダースン中尉はそれを逃さず機銃を撃ったが、すぐに機銃が止まった。
…弾が切れたのだ。
しかし、僅か十数発の機銃弾はウォーホークを貫き、白煙を吹き出させた。
ウォーホークは高度を下げながら離脱していく。
《サクヤ軍曹、大丈夫か?》
アンダースン中尉が心配そうにサクヤ軍曹に聞いた。
《だ…大丈夫です。幾らか弾を喰らいましたが、まだ飛べます!》
《弾が切れたし、燃料がない。
引き上げるぞ!》
アンダースン中尉の言葉にサクヤ軍曹は燃料計を確認した。
燃料計の目盛りが帰りの分ギリギリの残量だった。激しい空中戦で燃料の消費も激しかったのだ。
《りょ…了解!》
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