相部屋の相手

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  「ふぅ…いい気持ちだった!」 フランカ上等兵が未だに滴が残る髪を手拭いで拭き、自室へ戻る。 模擬戦からすでに三時間。愛機は駐機場に停めて、整備兵に任せた。報告書も書き終わった。 あとは自分の時間だ。 夕食まではあと二時間。 それまではたっぷり睡眠を取らせてもらう。 なお、フランカ上等兵は士官や下士官ではないが、搭乗員のため二人部屋(※)になっている。 更にフランカ上等兵の部屋が決まった時は何故か相手がおらず、ほぼ個室状態となっていた。 「ただいまァ!」 いつもの習慣で部屋の扉を開けながら言った。もちろん誰も居ないので、返事は返ってこないはずであった。 「あら、お帰りなさい。」 「!?」 ※本来は十人前後で一つの大部屋である。
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