高々度飛行訓練

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  ‐ウエワク基地上空‐ 「高度6000か…」 アンダースン中尉が高度計を見ながら呟く。そして背後を振り返り、部下達が付いて来ているのを確認する。 「よし、付いて来ているな。」 そして再び、高度計を見る。 高度計の針がゆっくりと回り、高度が上がっていく。それに伴い、指先や足先が寒くなってきた。 「寒くてかなわねェな!」 アンダースン中尉が呟きながら煙草を吸おうと胸ポケットを探る。 しかし、すぐに探るのをやめた。 「…っと、 煙草は置いてきたんだ。」 今さらながら、煙草を置いてきた事を思い出す。 そしてアンダースン中尉は酸素不足(※)でボヤける頭を振り、操縦レバーを握り絞めた。 ※この頃の高々度装備は不完全であった。
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