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「…まったく。」
アンダースン中尉が呟く。そろそろ高度は9000を越える。
目標まで…あと2000m。
「うん!?」
上昇を続けるサクヤ軍曹の飛燕。しかし、僅かに油圧計がおかしかった。
《こちらサクヤ軍曹、
油圧がおかしい。ユベール伍長、見えるか?》
サクヤ軍曹の後ろを飛ぶユベール伍長に機体の異常を確認してもらう。
《こちらユベール伍長、
…たしかに、エンジンから薄く煙を曳いています。大丈夫ですか?》
《わかった、有難う。
こちらサクヤ軍曹。
機体故障のため、離脱します。》
《こちらアンダースン中尉、
了解した。サクヤ軍曹、帰還せよ。そのまま墜ちるなよ!》
《はい、すいません。
お先に帰還いたします。》
悔しそうにサクヤ軍曹の飛燕は翼を振り、編隊から離脱していく。
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