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「ちょうど、我が国の《伝統料理》が出来た所なの。それを食べながら思い出して頂けるかしら?」
ミハエル特務大尉は含みを持った笑顔のまま部下の一人に何かを指示、退室させる。
‐十五分後‐
頃合いを計るように腕時計を見ていたミハエル特務大尉は、顔をあげた。
「そろそろね。」
すると先ほど退室した部下が、鍋を持った状態で戻ってきた。
「これが我が国の伝統料理、
《オデン》よ。」
「オデン!?」
それは確かにオデンである。だが何かがおかしい。
…それは未だに鍋からは蒸気が舞い上がり、グツグツと沸騰している。
「これ…食べられるの?」
「えぇ、《食べられる》わよ。」
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