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俺は芝のフィールドに一緒に寝そべっていた弘樹に言った…
「サッカーやらないか?」
と・・・
弘樹は少し驚いた様子ではあったが、微笑んで俺にこう返した…
「俺はもうサッカーはやめた人間だ・・・
だから、もうサッカーはやらない。」
微笑んではいるが、目の奥にはもう、あのときのような輝きはない…
2人の間に数秒の沈黙があったが、
弘樹が口を開いた。
「州都(しゅうと)。
お前は
サッカーつづけろよ…
お前は俺と違って素質をもってんだからよ。」
無理して作った笑顔でかっこつけて弘樹は言った…
正直腹が立った。
弘樹にではなく、
自分に・・・
そう・・・
自分に・・・
俺には見つからなかった…
…
弘樹を説得できるだけの言葉が・・・
けど・・・
どうしても弘樹が、
あの、
弘樹の
パスが必要だった・・・
そう、あのときのような華麗なパスが!
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