Section 1-2

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「え……? えっと……え?」 「君に最終試験を受けてもらいに来た。今からいいか?」  思ってもいないチャンスが巡ってきた。よくわからないが、伊織は試験をパスしていたのだ。  だが何故だろう。あんなブザマな脱落の仕方をして、最終試験に残ったというのは一体何があったのだろうか。  伊織には全くわからなかったが、まだ軽音部に入部できるチャンスが目の前にあるだけで、伊織にとって十分だった。 「あ、うっス! 行きます!」  伊織はその場で履き慣れたランニングシューズを履き、家を出て玄関の扉を閉める。楠木は俺の姿を確認すると歩き出し、伊織はその背中を追う。
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