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ジリリリリリ……
カチッ
「……ん~……なんだ……まだ8時じゃないか……俺はポン〇ッキーズはもう卒業したんだ。残念だったな……」
周りに誰がいる訳ではないが、子供向け番組の卒業表明だけはしておきたい。
目覚ましを止める動作を目を閉じたままやってのけたのは、体が覚えているからなのだろう。
そして人類が誕生してからの億の付く年月、人を選ばない至高の贅沢、二度寝の予備動作に入る。
時に、ポン〇ッキーズだが伏せ字の位置一つでちょっと怪しくも見えるものだ……フフフ……
「……って8時だと!? いかん遅刻だ!!」
……
こんな朝の流れをしていいのは、本日入学式の新入生もしくは転校生、あるいはその道中で偶然ヒロインに出会う主人公だけだ。
新入生でも転校生でもない、高校二年に特有の中だるみ期真っ盛りでもない俺は、当然とっくに起きて優雅にティーでも飲んでいる。
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