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今日の一時間目の授業は国語、国語科担当の柳先生(やなぎ)は 、本当に先生という先生。
「…………であるからして……………そう、つまり…………なのだ。それはまた………………であるとも言える」
本当に魔術をかけているのではないかと言う位パタパタと生徒が机に倒れていく。
私達はよく先生に『進学校の生徒である事に誇りを持って』とか言われるけれど、
こんな様子を見ると、やっぱり普通の高校生なんだなーとおもう。勇なんかイビキかいちゃってるし。
周りを見るとペンを持って先生の方をみている生徒なんてほとんどいない。私も寝ようかな…
そんな事を思っているとふと千一の姿が目に入る。千一の席は私から見て左斜め前の方。
こんな先生の授業でも立派に聞いて板書を写してるあたり、千一がすごく優秀な生徒である事を再認識させられる。
でも心なしか今日の千一の背中には覇気がない。
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