春の終わりに

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キーンコーンカーンコーン これはご存じチャイムの音。またこのチャイムが何を知らせたかったのかっていうと、一時間目の終わりだ。 俺、千一(せんいち)は今のチャイムを2年4組の教室にて聞いていた。 小学校から九年間聞いてきたが、未だに余り好きになれないメロディー。いや、これをメロディーと言っていいのだろうか。 まあクソみたいな教師の行うクソみたいな授業を聞くよりは数倍マシなのだが。 国歌並みに変わる事のないだろうお馴染みメロディーを聞いて、何はともあれ俺達は休み時間を得た。 休み時間とは何をするものだろうか、という事について考えてみると、当然答えは出ない。 英語でフリータイムと表されるように、自由な行動が許可されている時間だからだ。 だから休み時間に人々がする行動はまさに様々、携帯を開く、トイレに行く、遊ぶ、話す、話ながら携帯をする…… 前置きが長くなったが、俺はそのフリーなタイムを睡眠に使っている。要するに、休み時間に入ってすぐ俺は寝始めたのだ。
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