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ギャグボールを噛まされた顎が、痛い。 無理矢理な体勢に固定されて、疲れ切った自分の姿が、部屋の脇にあるかわいらしい衣装鏡にうつっている。 俺は、決してマゾヒストではない。 むしろ、自分ではSっ気のあるほうだと思っている。       ・・・・ だから、俺はオアソビに付き合っているだけなのだ。 決して、自分は屈してなんかいない。 だが、そう思ってるのは、何と言うか…俺のプライドがそう思わせてるというか、それだけで、ただの勘違いなんだろう。 ひゅーひゅーと俺の息が漏れて、閉じられない口からは、だらしなく唾液が垂れている。 「…なんですか?」 俺がそんな状態でじっと見ていると、彼女はちゃんと声をかけてくれる。 ホントは優しいんだよ。ホントは。 「うぅぅ、あぁぅ」 ああ、舌が動かないから、言葉がうまく言えない。 そんな俺の様子を見て、彼女はこちらに歩いてくる。 にっこり笑って。 笑顔は可愛いんだよな。 そして、俺の頬を優しく撫でて、顎のあたりでぽたぽた垂れている俺の汗だか唾液だかもうよくわからないものを、ぺろり、と舐めとった。
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