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しかし、その光景は一瞬にして闇の力により塵とかした。
アデノイドはたった一瞬の事に理解が出来ず、ただ立ち尽くしている。
それも当たり前なのかもしれない…。つい数秒まで天使達、人間達が魔王に攻撃するために凄い勢いで攻め寄っていたのに、瞬きをする間に全てが焼け焦げているのだから…。
「ま…魔王様…?」
アデノイドの問いに魔王は気づき、振り向き不適な笑みを零した。
「アデノイドよ待たせたな!大天使を始めとする幹部全員は咄嗟に逃げたが…、ほら見ろ!全てが焼け焦げておるわぃ」
「す…凄い…」
アデノイドは魔王の力は自分が今まで思ってた以上だったのか、と思っていた。
焼け焦げた…。アデノイドはその状況から、やっと理解した。
魔王はたった一瞬で黒炎を体中から放ったのだと。
超上級魔法の黒炎を…。
「しかし、大天使を逃がすとはワシもまだまだじゃな…」
魔王が頭をポリポリと掻きながらアデノイドに再び笑みを零した。
しかし、魔王の笑顔は一瞬で消え去った。
魔王とアデノイドの目の前に、黄金の鎧を武装した大天使が現れたのだ。
魔王はグッと眉間にシワを寄せて大剣を握りしめた。
「大天使…セントルシア・ゴッドよ……いよいよ貴様との因縁を断ち切ってくれようぞ!」
大天使も同じように右手に持つ光輝く装飾された大剣を握りしめる。
「魔王ゼロ・サタン…」
この時柱に大天使にばれないように隠れるアデノイドはこう思った…(魔王様と大天使顔似てるよなぁ…)と…。
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