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ジリジリと張り詰める空間を、先に切り裂いたのは魔王だった。魔王は目にも留まらぬ速さで大天使の目前まで走り込むと、その大剣で大天使を鎧ごと貫いた。
「ま…まさか【光】を素材にした鎧をも貫く剣が現れるとは…その剣一体……?」
大天使は驚いた顔で自分を貫く大剣を見つめこう言った。
魔王はニヤッと口元を吊り上げると、その鋭く尖った牙を大天使に見せた。
「フハハハハ。この大剣は、あの大陸切りをしたと言われる伝説の剣…【滅裂黒龍刀】を造った、伝説の職人…榊がワシ専用に造った特別な剣じゃ!!」
「榊…あぁ、あの馬鹿が。魔王に手を貸すとは……」
「フフフフ。ワシに手を貸した理由は確か…ワシの妹が好きだからだとよ……!!」
今の発言にアデノイドは即座にツッコミを入れた。
(そんな理由かよっ!!……まぁ確かに可愛いからなぁー。魔王様には似てないからなっ)
しかし口には出さなかった…。
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