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他の天使達はその光景を目の当たりにし、震え上がった。
しかし、魔王を倒さなければどっちにしろ…
さっきの二の舞だ…
玉砕覚悟になった天使達は一斉に魔王に攻め寄った。
魔王は嘲笑うかのように背負う大剣を鞘から引き抜き、天使達に立ち向かった。
大剣は次々と天使達の体を切り裂き、数秒間でかたがついた。
魔王は大剣を鞘に戻しながら、
「張り合いの無い奴らじゃ」
と呟いた。
その後も魔王は天使達や人間達を薙ぎ倒しながら、ついに連合軍の本陣にたどり着いた。
魔王とアデノイドは本陣の手前で竜から降り、二人はゆっくりと歩を進めた。
しかし、本陣の入り口には一人腕を組み魔王を睨みつける人間がいた。
「待っていたぞ魔王ゼロ…」
「アレンか…。ワシを呼び捨てにするとは……人間風情が…」
アレンは両腰に装備していた銃に手を当てた。
それと同時に魔王は大剣を鞘から抜いた。
「まだ21歳という若さでありながら、連合軍の幹部までのし上がった優秀な戦士も…ただの人じゃ…。ワシには勝てんぞ」
「うるせぇ。魔王ゼロ…お前にこの世界を征服させてたまるかよ………」
アレンと魔王は睨み合い、互いに動かない。
アデノイドが少し離れた所からそれを見つめる。
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