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「無理だって。俺は二歳からお前のこと知ってるけどまんま成長してないしな」
今更焦っておしとやかな女子目指しても時間の無駄無駄、とつけ加えた夕貴。
…あたしは駄目なのか?
心構え次第で行動が綺麗な女性になれると思ったけどそれは甘いのだろうか?
「…どうすれば、いいんだろ」
夕貴は本気で悩み始めたようであるあたしに、
「…お」
「お?」
「―――お…前は…ま…い…だよ」
「は?!ちゃんとはっきり言えや!!」
ぎゃーぎゃー言い始めたあたしと夕貴を尻目に、雫は静かにまたお弁当を食べ始め、うんうん頷きながら何かを考えていた。
「(肝心の【お前】に聞こえなかったみたいだけど、私は聞こえちゃった。『お前はそのままでいいんだよ』って。ふふ、真っ赤な顔で言うのが可愛い。気づいてもらえるように頑張れ夕貴君!)」
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