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びゅうびゅうと荒々しい突風が魔理沙の華奢な身体を叩く。
お気に入りのとんがり帽子を飛ばされないよう押さえながら風圧に耐える。
現状、未だ彼女自身が出せる最高速には達してはいないが、これ以上の加速は身体に負担がかかる。
(振り切るのは無理か。だったら―――!)
彼女は懐から正六角形丼状の物体を取り出し、振り向かずに腕だけ背後の敵へと向ける。
「恋符―――」
丼の中心に光が集まる。集まった光は球体を象り、徐々に大きさと集まる速度を上げていく。
最高潮となった時、球体は丼の数倍の大きさにまで膨れ上がり、表面を電流が迸っていた。
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