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やがて箒は突然進路を変え、霧の湖の更に先―――真紅の館、紅魔館のある方向へと直進する。
(おいおいおい、これは不味いぞ)
本格的に冷や汗を掻き始める魔理沙であった。
2.
ここはヴワル図書館。紅魔館の西端に位置する場所だ。端と言っても面積は恐ろしく広大なのだが。
見渡す限りの本棚が整然と並んでいる。
天井近くまである本棚のせいか、ただでさえ少ない窓から入って来る光は殆ど遮られ、真昼間だというのに図書館は薄暗い。
その暗がりの中、ランプで手元を照らしながら黙々と本を読み続ける女性―――パチュリー・ノーレッジは突然読書の手を止め、読み掛けの本を勢いよく閉じた。
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