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重なり合えば消えるはずだった不安は、逆にどんどん大きくなった。
それが抱えきれなくなったある日、あたしは今まで使わなかった単語を選んだ。
「あなたの彼女になりたいの」
彼を所有する以外に、不安を埋める方法なんて思いつかなかった。
そんなあたしに、彼は少し困った様な表情を見せた。
「アイミ、僕達は付き合えないよ。僕は日本に来てから僕自身の事だけで精一杯なんだ。君の事は好きだけど、もし今までの様に一緒に居る事が君を傷つけるなら、僕達は離れた方がいいかもしれない」
返す言葉は見つからなかった。ただ悲しくて、黙って離れる事しか出来なかった。
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