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俺の学校のサッカー部は、大した成績も残せてないが別に弱くもないというなんとも説明し難い強さである。 大樹は2年やのにそのチームのエースで、さらにストライカーというなんとま素晴らしい運動能力の持ち主や。 俺は…まあ2年で補欠やからいいほうなんちゃう? 「考え事してんと行くぞ拓海ぃ」 待て言うたのはお前やろ、と大樹に言いたくなる気持ちをぐっとこらえて置いてあった鞄を肩に掛けた。 校門の辺りまで行くと、何やら女子の話し声が聞こえた。 「クラスに良さげな男子とかおった?」 「いたいた!!○○くんやろ~、△△くんやろ~、□□くんやろ~…」 「多っ!!」 「え~…あたしは○○くんとか無理~ やっぱ吉崎くんかなぁ」 「もうええよ、まっちゃんは~」 まあ何げない女子の会話やし、俺は邪魔しないようにその横を足早に通り過ぎた。
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