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しばらく歩いてから横を見ると、大輝がいない。
振り返ると、大輝は重い足どりでゆっくりと歩いていた。
「すまん、大輝!!早よ歩き過ぎた!!…どうしたん?」
「水神さんの好きな子は吉崎、水神さんの好きな子は吉崎…」
大樹はフラフラとした足どりで亡霊のように真っ青な表情をしながら何か呪文のように呟いていた。
「水神さん…」
「…!!今の水神さんやったんか!!」
部活が終わる頃にはもう日は沈みかけてたから、暗くてよく分からんかったわ。
「拓海…俺いきなり失恋…?」
大樹が目で俺に助けを求めてくる。
大樹に彼女ができない(てか、付き合っても長く続かない)のは、こういう子供っぽい性格にあるんは明らかやねんけどな。本人は気付いていないようやけど。
んな事言われても人の恋心なんて簡単に変わるもんとちゃうしな…
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