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「もうええよ、まっちゃんは」
もうすっかり聞き飽きたらしく綾乃はため息をついた。
「あんたはまっちゃん言うな!!」
まっちゃんと言うのは吉崎くんがバスケ部員に呼ばれているあだ名で、蘭もそう呼んでいる。
とその時、誰かが校門から出てきた。バスケ部にしては早いなあ…とか思いながら見ると、
「あ…」
それは、同じクラスで授業中にずっと寝てた人だった。
「あ。真山と河野や」
「綾乃あいつのこと知ってるん?あたしのクラスやねんけど」
「知ってるも何も、去年同じクラスやったし」
この東橘高校は1学年10クラスもあり、中々他のクラスの人と接する機会がない。
でもそんな偶然ってあるもんやな。
「へぇぇ…どんな人?」
「うーん…なんかパッとせえへんかったな。でもいつもあの二人は一緒におるで」
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