自分の理想の相手

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「そうや、宿題あったんやったごちそうさまっ!!」 あたしは誰にでも分かる嘘をつきリビングを飛び出し階段を駆け上がった。 「ちょっ…!!ねーちゃん!!」 翔梧の呼び止める声も無視して部屋に入り急いで鍵をかける。 「いつになったら気付くんかなあ…」 翔梧の声は1階に虚しく響いた。 「はーっ、はーっ…」 あたしは翔梧が2階へと上がってこないことを確認すると、足の力が抜けてその場に座りこむ。 とにかく彼氏の話はしたくなかった。男子と話そうとするだけで顔を赤くするあたしにとってはまだまだ早い話だ。 「とは言ってもなぁ…」 ベッドに乗り仰向けになり天井を見つめる。 ふとたんすの上にあるぬいぐるみが視界に入り手に取る。
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