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大輝は俺の言葉を振り払おうとしたのか、首を軽く手で押さえながら振り、駆け足で近くの曲がり角へと向かっていった。
………アホかお前。
てかめっさ淋しそうな顔して棒読みで言うな。
慌てて全力でダッシュして追いかけたが、何しろ相手は東橘高校サッカー部期待のホープ。叶う訳がない。なす術もなく引き離されていく。
っつーか、あいつ本気で水神のこと好きやったんやな…
俺は途中で追いかけるのを諦め、後でメールしようと考え家へと歩いていった。
「ただいま~」
「おかえり!!」
いま返事をしたのは俺のかーちゃん。智美(トモミ)という名前で、なんでも飼っていた犬が死んだ直後やったからその犬の名前をそのまま付けたらしい。
親どないやねん。
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