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1階の奥にある書斎へ行くと、とーちゃんはパソコンとにらめっこをしていた。いつもの光景やな。
俺は忍び足でこっちを見向きもしないとーちゃんの方へと歩いていく。
耳元まで近づいても気付く様子はない。
「とーちゃん、飯やって」
「……っ!!なんや拓海か…おかえり」
「なんかもっとオーバーなリアクション期待したのに」
とーちゃんは俺の言葉を華麗にスルーし、パソコンのデータを保存して閉じていた。
ゆっくりと椅子から立ち上がると、思い出したかのように急に俺のほうを振り向く。
「いきなりやけど、拓海は彼女とかいるんか?」
「は?」
なんやねん薮から棒に。
とーちゃんは、普段から俺のことはあまり聞いてこない。ときどきかーちゃんが話しているらしいけど…
めずらしいな。
「おらんけど、それがどないしたん?」
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