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駅の校内を爆走する男子高校生と女子高生。
周りからすればある意味微笑ましい光景に見えるが、当の本人は必死だった。
このままやったら半殺しにされる…!!
「うちに勝てるとでも思うとるんかあぁっ!?」
美佳は大声を張り上げながらものすごいスピードで追いかけてくる。
なんか威勢のいい声発してる割には少し悲しそうな顔しとる気がするけど…とにかく捕まったら面倒くさいから逃げよう。
改札に押し寄せる人の波をかき分け、なんとかホームにたどり着くと調度電車が来ていて拓海の到着を待っていたかのようにドアが開いた。
拓海が飛び乗ると同時にそれは静かに閉じた。
ガラスごしに美佳の恨みがましい視線をひしひしと感じるが、完全に無視して電車のホームとは反対側のドアに寄り掛かる。すぐにあとから来た人で美佳の姿は見えなくなった。
拓海の乗った電車が発車する時美佳が誰にも聞こえないぐらいの声で「逃げんとって…」と言ったのは彼女だけの秘密である。
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