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練習が終わり、タオルで汗を拭きながら荷物の片付けをする。
「はあ…疲れたわ」
隣では大樹が着替えている。
「今日はフットワークのメニューがきつかったな」
「にしては元気やな、お前」
大樹はサッカーをする時はどんなにキツい練習でもいつも笑顔でいる。
俺達チームメイトがむさ苦しい顔をしていても一人だけ異彩を放っている。
「まあお前と違って体力あるし?ヘタレとちゃうし?」
「それ遠回しに俺のことけなしとるやろ」
「遠回しって言うか…直接?」
大樹は満面の笑みで返事をした。
ムカついたから俺は大輝を無視して帰る準備をする。
えーっと…スパイクに、靴下に、ボールに…
よし、帰ろう!
「拓海待たんかいゴルァァ!!」
大樹が急にドスの効いた声を出したからビクッとする。
「…わかった待てばええんやろ待てば」
「わかればよろしい」
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