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~二年前~
その日、俺は久しぶりに彼女と出かけた日だった。雨が降ると予想されていた天気予報もはずれとてもいい天気だった。
「優君♪」
隣には俺の彼女がいる。
「久しぶりだよね、一緒にこうして出かけるの」
「そうだな」
その頃の俺たちは中3で、季節は春を迎えていた。高校受験も何とか合格して、俺たちは一緒の高校に行くこともできた。
「合格できて、本当によかったよね」
「俺はもう不合格寸前だったけどな」
笑いあう俺たち。この時間がどれだけ楽しかったことか・・・俺は今でも覚えている。
「ねね、のどかわいたから飲み物買ってきていいかな?」
「あ、それだったら俺が行ってくるよ。何がいい?」
「うーん・・・コーラかな?」
「分かった。すぐ戻ってくるからな」
俺は彼女をすぐ近くにあった店の前で待たせて、自動販売機のある場所に向かった。
・・・そう、この行動が今後の俺をゆがませることになるともしらずに。
数分後。俺はコーラ2本を買って彼女がいるところに戻る。
・・・その時だった。彼女が待っていた店の周辺にはなぜか人が大勢集まっていた。すると、その人ごみの中から聞こえた声がこれだ。
「女が倒れてるぞ!!救急車を呼べ!!!」
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