第5話『夏と海』

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限界だった。俺はもう、黙っていられなかった。コイツは俺の何を知っている。どうしてコイツは俺の過去を知っている。何から何まで知っているかのように喋るコイツがウザかった。 「テメェ!!俺の何を知ってるって言うんだ!?それ以上言うならころ-----」 その時だった。 「宮川君を悪く言わないでください!!!!!」 内田が男に向かって言った。 「宮川君は・・・・・私は宮川君の彼女でも何でもないんです・・・・。でも・・・・宮川君は私をかばってくれたんです。これ以上言うなら私が許しませんよ」 それは真剣な目だった。内田は男の目をまっすぐに見て言った。 「・・・そうかい」 男は内田の手を離した。そして、俺に近づいて耳元でこう言った。 『また被害者を増やそうとしてるんだな。宮川』 最後にクスッと笑ってどこかに行ってしまった。 「・・・なんで・・・なぁ、どうしてまた俺を邪魔しようとするんだよ・・・・」 押さえきれなかった。男から言われたことはすべて傷をまた深めた。そんなことくらい分かっている。俺が杏の側から離れてなければ助けられたのかもしれない。でも、起こってしまった。俺はまた被害者をだすのか・・・? また亡くすのか・・・・? 『また、消えるのか?』
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