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第3話「知らない自分」
あれから何日かたち、屋上に行くと必ず内田に会う。だからといってずっとしゃべっているわけじゃない。内田と目を合わしても俺から喋りかけることはまずない。ただ、一つ変わったことがある。久しぶりに言う言葉だった。屋上に行くとかわすたった一言。
「あ、宮川君。おはようございます♪」
「あぁ、おはよう」
そんなある日。それは起こってしまった。
昼になり、俺は学食のパンを買って適当なところを歩いていた。買ったのはいいが、別に食べる気はしなかった。・・・と、ぶらぶらしていたら体育館前に来てしまった。
「どんだけ暇なんだ・・・」
その時だった。
「やめてください!!!」
どこからか声がした。どこかで聞いた声だ・・・。声がしたところはここから近い。なぜか・・・嫌な予感がした。
「・・・・・」
迷った末、行くことに決めた。あんな大声で助け求めてるの聞いて放っておけないだろう。
~体育館裏~
「めちゃ可愛くない?」
「キミ二年だろ?俺たちも二年なんだぜ?」
そこにいたのは男子生徒2人に絡まれている女子生徒がいた。しかしその女子生徒は確かな見覚えがあったんだ。
「・・・・・内田」
「放して下さい!!!」
つかまれた手を必死にとろうとするが、男子生徒は放そうとしなかった。
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