柏木千歳が命じる。全校生徒よ、我に従え!!!

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若菜先生が頭を押さえて、ふぅと息を吐きました。 「なるほどね。そりゃ確かに面白いだろうねえ。でもさ、高峰。面白いだけなら上条でもいいんじゃない?」 オーケー、女神光臨。いっくぜぇぇええ、女神転生!!!!!! 「上条ですか。まあ美少女ではあるので俺は構いませんが……、学校潰れますよ?」 「そうだな。じゃ、柏木に決定ー」 「おいいいぃぃぃいい!!! なに納得してんですかっ!!」 さすがに叫びました。当たり前です。 すると当前のごとくクラスが僕に視線を向けました。テラ20世紀少年。創ったらいいのに、友達党。 で、上条は文句なしに可愛かったですし、高峰に関してはかなりの爽やかイケメン野郎でした。 ところで、なんでそんな意外そうに見てるんですかね、皆さん。 『え、なんで叫んでんの?』って顔しないで下さいね? ドラえもんがのび太を助けるのを疑問に思うのと同じだよ、それ? 間違ってるの僕じゃないですからね、絶対。うん、僕は間違ってないよね、うん。 「どうした、柏木?」 高峰が言いました。ニヤニヤと、うざったい感じで。 「どうしたじゃねえっての。なんで僕なんだよ」 「言ったろう。面白いからだ」 「お前ね、面白いね。スゲー笑える。だから僕の代わりに、生徒会長でもなんでもなれ」 顔が引き攣ってたと思います。 いや、引き攣ってたでしょう、間違いなく。 「遠慮しよう。面倒だからな。それにな、柏木。全クラスから一人ずつ出てもまだ十八人もいる」 「ほう、それで?」 「やる気のないお前が、他の候補者に勝てると思うか? なに、一番を取らなければどうということはないさ」 シャアかお前は。 と思いつつも、確かにその通りではあります。 なるほど。 ようはやる気のなさを見せ付ければいい。 そんなやつを生徒会長になんかしないでしょう。 僕は承諾しました。 教壇で若菜先生がお腹を押さえて爆笑していた理由を知るのは、それから数日後の事だったのです。
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