ぽにょろふぃー。響きがなんか好き

15/16
426人が本棚に入れています
本棚に追加
/200ページ
ねえ、おにいちゃん。 キス、してみよっか……? そんなわけで、今ここに至ります。 なんとなく、抱きしめたら負け。 そんな気がしてなりません。 いや、そんなことよりも。 これは僕が望む展開じゃない。 マリア様が見ているのなら誓ってもいい。 望んでない。 では、冷静な僕に戻るために集中しましょうか。 人間何事も集中力が大切なんです。 ちなみにここまで0.4秒。 そんなわけで、おそらく十秒ほどで、僕は冷静さを取り戻しました。 冷静になりさえすれば、あとはカップ焼きそばのお湯を捨てる作業より簡単です。 僕は天野の頭を軽く、コツンと殴りました。 シグナム姉さんがリインフォースを殴る感じです。 「そういうの、ふざけてやるもんじゃないぞ」 将、いたい……。 そんな声が脳裏を横切って。 天野は僕から離れました。 「えへへ。ごめんねー、おにいちゃん。びっくりした?」 「子供に抱き着かれても、なあ?」 ウソです。 全力でビックリしました。 葛藤の激しさは、僕の人生 トップクラスです。 「相変わらずヒドイよねー、おにいちゃんは。ま、しょうがないかー」 「じゃ、送ってくれてありがとう。おにいちゃん。またねー」 走っていく天野の後ろ姿を眺めながら、僕は取り残されました。
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!