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家までの帰り道は、不思議なことに覚えていました。
いや、覚えているというよりも、知っているという感じですかね。
一人暮らしのアパートに帰ると、すぐにベッドに倒れ込みました。
「記憶か……。厄介だな……」
とは言うものの、そこまで深刻には考えてなかったりします。
だって祐一とか、七年前の冬の記憶とかほとんど忘れてたし?
むしろKanonっぽくていいかもしれませんよ?
意外に。
あー、アレやりたいんですよね、アレ。
箸を持つ方に避けろってやつ。
結局あゆが左利きで衝突。テラワロス。
男のロマンこの上ない。
でもまあ、徐々に思い出せる保証もないし、
いつの記憶がないのかも解らないから、
それはそれで厄介なんですけどね。
必ずしも他人が思い出せないってことは、ない。
高峰やら上条、若菜先生は思い出している。
会ったことはないですけれども。
ここ数時間で思い出せていない人は二人。
天野と稲葉先生ですよ。
稲葉先生の場合は回想の暇もなかったから微妙だけれど、回想で一度も出てこなかったところからすると、やっぱり記憶は欠落しているんでしょう。
やめよう。
考えて答えの出そうな問題じゃありませんし。
少しくらい支障はありそうだけど、大丈夫でしょう。
僕は過去よりも、これからを大切にする人種ですから。
千歳の記憶。回想により0円。
千歳の未来。プライスレス。
そういうことです。
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