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「…ふぅ」
カインさんが
ため息をついた
「大丈夫だったか?
勇者さま」
『うん
強いんだね、本当に』
「そんな事ねぇよ」
あ、カインさん
照れてる(笑)
可愛い
「行くぞ」
『うん』
─私達は
再び歩きだした
チリチリと
松明の燃える音が聞こえる程、静かだ
『…声が
しなくなった』
「…そうだな」
カインさんは
遠くへ松明をかざして見た
けれど
何も無い…
怪しい洞窟も
墓も祠も…
近くには見当たらなかった
「どうする?
勇者さま」
『…そうだね
どうしよう』
あの声を
頼りに歩いて来たから、いきなり声が聞こえなくなったら行きようがない
『仕方が無い
帰ろうか』
「………そうだな」
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