*旅立ち*

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「おい、よせよ」 ―!? 「なんだ、お前は!?」 酔っぱらいに抱き締められ変な体勢で現れた人を見た 小柄な男の人 可愛らしい顔をしてる その男の子は その可愛らしい顔に似合わないキツい顔をしてみせた 「おじさん そんなんじゃモテないよ」 「何だと!?」 酔っぱらいは 私を乱暴に離すと、その男の子に噛み付いた 「ガキの癖に生意気な」 「………」 睨み合う どう見ても 体格に差が有りまくりだなぁ… 助けてくれたのは 有り難いけど、どう見ても男の子は不利だと思う 「表に出ろ!!」 わは 酔っ払いが良く言うセリフ(笑) 「あんた、帰りなよ」 男の子が私に言う 『あ…でも私…』 「ここは ガキの来る所じゃねぇんだよ」 むっ…💢 あんただってガキでしょ そう言いたいのを堪える 喧嘩を見るために 酔っ払いが外に出ていく 私も外に出ようとして 足を止めた 酒場の奥… 大きな剣を抱えたまま、床に座って眠ってる男の人… ……いい男❤ さっきの男の子とは全く反対の背が高そうなガッチリした体格の持ち主だった 外では喧嘩が始まったのかワーワーと歓声が上がってる 私はルイーダさんの所に行った あんな大きな剣を持ってるんだから絶対戦士系だよね あんな人が仲間になってくれたら、旅も楽しいよね 「いらっしゃい 決まったの?」 ルイーダさんも 外での騒ぎを気にしていないみたい… まぁ こんな仕事をしてるから日常茶飯事なんだろうね 『あの… あそこで眠ってる、男の人が…』 私が言うとルイーダさんは台帳をペラペラとめくった 「あら、残念ね あの人戻って来たばかりで使えないわ」 『……えぇー』 残念💧 私は店の奥で寝てる男の人を見た 「それに、あの人の貸し出し料、高いしね」 えっ… 『お金かかるんですか!?』 私が言うと ルイーダさんは驚いた顔をした 「当然でしょ」 ……… ど、どうしよう 私、いくら持ってるかな?  
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