*旅立ち*

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『あ、あの… 私、これしか持って無くて…』 私は腰に下げた麻袋から、お金を出しカウンターのテーブルに広げた 『……これだけ?』 ルイーダさん 呆れた顔してる… 結構、金貨があるのに これって少ないんだ… 「これで全部?」 『……はい』 「……ん~」 ルイーダさんは 金貨を手で平らにしてみせた 「これが全財産なら 全部使えないわよね? 生活費を残さないと…」 …あぁ、そっか いつ自分の世界に帰れるかわからないんだよね… 「…そうねぇ どうしようかな」 ルイーダさんが 顎に手を添え考えてる ―と、 さっきの男の子が少しだけ息を乱し中に入って来た 「あんた、ヤツは?」 「外で寝てる」 「しょうがないねぇ 助けて介護料ふんだくるか」 ルイーダさんが言って笑う 「あ、そうだ ルナ、あんた悪いけどさ このお嬢ちゃんに買われてよ」 「は!?ふざけんな 何で俺がそんなガキに買われなきゃなんねぇの!?」 むっ💢 だから、あんたの方がガキでしょっての 私はルナと呼ばれた男の子を睨んだ 「頼むわよ あんたぐらいしか雇えないのよ、この子」 「だったら無理に 冒険するなっての!!」 「どうせ何かに憧れて冒険してみたいだけだろ」 違うよ💢 ラスボスを倒さないと帰れないんだよ 「くだらねぇ 俺は嫌だね」 こっちだって、お断わりだよっ 『……あの すいません💧』 『もう少しお金かせいでから来ます』 私は金貨を麻袋に戻す 「そぉ? ごめんなさいね」 「………」 ルナって言う人が 無言で私を見る 本当にこの人 私の嫌いなタイプだ こんな人と旅するの こっちから断るし!! 私はルイーダさんに会釈すると外に飛び出した ―げっ… さっきの酔っ払い… ボコボコにされてる!!
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