つばさ

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『わからないって…どうして?』 『夢じやないから…』 『も、も、もしかして… つばさは…その…ゆ、幽霊!?』 『アハハ! バカね! ほら…』 つばさはあの日のように、ボクの 手を握った。 その手は、あの日とおなじように 冷たかった。 『ふぅ~! なんか釈然としない けど、でも会えたからいいや!』 『え…?』 『不思議の謎は理解できそうもな いけど、もう一度会いたいという 願いは叶った…』 ボクは、つばさの瞳を見た。 その瞬間、体に力が入らなくなっ た。 いや、というより浮いてる感じ… あのとき感じた、深い森に包まれ ているような感覚だ。 『もう…いくね…』 『待って! どうすればつばさに 会えるの?』 ボクは、そうつばさに問い掛けて いるんだろうけど… 声が…出ていない…気がする… そしてつばさも… 喋ってはいない… 『もう、会わないわ…』 『会いたいんだ、どうしても…』 『なぜ?』 『うまく言えない…けど…ボクの 体中がそう言ってる!』 つばさは少しうつむいていたけど すぐに顔をあげた。 『アタシは…ここにいるわ…』
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