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ボクは、アルプスの先端に座った
ままだった。
ふと時計を見た。
たぶんここに座ってから、いくら
も時間は経っていないようだ。
またベッドで姉貴に起こされるの
かな…
でもなにかあの朝とは違っている
気がした。
ボクはつばさが握ってくれた手を
見つめた。
感触が残っている…
アタシは…ここにいるわ…
そう言っていた。
ボクは考えるのをやめた。
たぶんつばさの言う通り、無理だ
ろう。
でも、ここに来ればまたつばさに
会える…
それだけでいい気がしていた。
つばさが誰であってもいいや!
今はそう思うことにした。
『お~い! ミチル~!』
ユウイチの声がした。
ボクは、遠くのユウイチに手を振った。
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