ふたつの恋心

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食事が済んで、姉貴が店の片付け に行った。 ボクはダルさが治まってきたので 食事の片付けをした。 なんでもないとはいえ、やっぱり 疲れるだろう… 出来ることは手伝わないと… 部屋に行き、ゴロゴロしていた。 ドアをノックしながら姉貴が入っ てきた。 『ミチル、ありがとう! 片付けしてくれて! チューしてあげよっか?』 『キモいよ! そういうのは彼氏にどうぞ!』 言い終わるまえに、また足が飛ん できた。 『あ、そうだ…ジュン… これ、落ちてたよ!』 ボクは、このまえ枕の下にあった ネックレスを渡した。 『ん? 私んじゃないよ…』 『じゃあ、誰の?』 『昼間、アンタの布団を干した時 にあるのを見かけて… てっきり…あづさのかと思ってた わよ…』 姉貴が、疑うような目で、ボクを 見た。 『な、なんであづさなんだよ!』 たしかに、あづさもユウイチも幼 なじみで、家にも来るけど、高校 に入ってからは、あづさと二人で 部屋にいることは避けていた。 しかも、2~3日前にはなかった のだ。 そしてここ数日、あづさは家には 来ていない。 『それにしても綺麗なネックレス ね…こんなの見たことないわ…』 疑いの眼差しをボクに注ぎながら 姉貴は下に降りて行った。 誰のだろう…
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